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日記と見せかけた雑記。拍手コメント&メールのお返事もこちら。ここだけの限定小話もあり。
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小ネタをアップ。

どこに?
――ここに。

いやだってサイトにアップするにはあまりにもアホやしなんか恥ずかしいしでもせっかく
書いたんやから日の目を見させてやりたいしここやったら見ている人も限られているから
ちょっと気が楽。

そんなわけでこっちに持ってきたのであります。

チャットで「主姫の結婚後は書きませんぜ」と宣言したものの、そう言えばずいぶん前に
結婚式の話を書いたことがあったなー、なんて、没ネタフォルダを探ったら出てきました。
――結婚式での控え室にて、主人公とククールの雑談(?)
元ネタあり。でもそれが何かは内緒。
実は以前、別の場所で期間限定公開したことがあります。(←D隊長、憶えてる?)
その時のものをそのままアップしても面白くないので、大幅に改稿しました。

恥ずかしくて居たたまれなくなったら消すかも。


+ + + + + + + + + +

『雑談 ~キスの条件~ 』


  ~ 新郎控え室にて ~

「おお?――エイト、こうして見るとお前、なかなか礼装が似合ってるじゃねえか」
「ありがとう、と言っておくよ…一応」
「なんだなんだ、おい。オレは素直に褒めてるんだぜ。お前も素直に受け止めろよな」
「お前に言われると何でも皮肉っぽく聞こえるのは何故なんだろうなあ」
「そりゃ単なる被害妄想だろ」

「じゃ、あらためて。ありがとうククール。…でもさ、これって何か意味もなく偉そうじゃない?」
「偉そう?」
「うん。この勲章なんか特に。しかも重いんだよね、見かけによらず」
「近衛隊長の礼服なんだから偉そうで当たり前だろーが」
「そっか。偉そうでいいのか」
「おう。胸張って堂々としてろよ」
「どもども」

「まああれだな。さすがに華燭の典ともなれば、通常の制服というわけにもいかないんだな」
「俺はそうしたかったんだけど…なんてね。これ、近衛隊長の第一礼装なんだ」
「へえ。ちなみにその礼装ってのは何段階まであるんだ?」
「段階って何だよ。…ま、いいか。略装まで入れると五段階」
「ほほう。それ全部着たことあるのかよ」
「あるわけないだろ。これだって試着で一度袖を通したきりなんだから」
「ま、そんなもんだろな」
「着慣れないからだと思うけど、どうも落ち着かなくって」
「大丈夫、似合ってるって。これなら美しすぎる花嫁ともばっちりつり合って見えるだろうぜ」
「…そうかな」
「自信持てよ。――この三国一の幸せ者が」
「なんの、世界一の幸せ者ですよ」
「そんなところ、相変わらずだよなぁ。ったく、自分の結婚式だっつーのに緊張感ゼロかよ」
「王女の花婿にとって必要なのは、度胸、はったり、そして開き直りですから」
「出たな、座右の銘」
「ちなみに今日の俺は、朝から開き直って開きっぱなしなんだ。全開なんだよこの野郎」
「…ああ、お前、本当はギリギリだったんだな。テンパってたこと気付いてやれなくて悪かった」

「悪いと思うなら俺の悩みを聞いてくれ」
「お前が悩み相談?このオレに?珍しいじゃねーかよ」
「いや、こんなことはククールにしか相談できないかなぁ、と思って」
「ふふん、オレを頼りにしてるってか。いいねえ。よしよし、ククール兄さんに何でも相談しな」

「結婚式でさ、法皇様に祝福を受けた後、新郎と新婦は誓いのキスをしなきゃならないんだけど」
「普通はそうだな。王族も然り」

「そのキスって、いつまでしていればいいわけ?」

「…………は?」

「何と言っても王族の婚礼なわけだから、列席者も相当な顔ぶれなんだよ」
「モリーのおっさんとか変なのも混じっていたりするけどな」
「これでもし、一瞬で終わったりすると、俺に誠意が足りないとか思われそうだし、かと言って
長く続けたりすれば、ひんしゅくを買いそうだし…どうすればいい?」
「どうすればって、お前それは……いつも通りでいいんじゃねーの?」
「だから悩んでるんじゃないか」
「ってことはどっちだ?誠意が足りないのか?ひんしゅく買うのか?」
「う」
「さあさあエイト、いつもどんな風に姫様とちゅーしてるんだよ。言ってみな」
「――やっぱ付き添い、要らないや」

  ひゅんっ

「どわっ!――ってめっ、その剣、飾りじゃねーのかよっ!今ちょっと斬れたぞこの辺!」
「例え儀礼用だとしても、この剣はカリスマ一人を倒すぐらいには殺傷能力を秘めている」
「あー、石の剣にも攻撃力あるくらいだからなー…って、納得しちまったじゃねーかよ、おい」
「そんなわけでお前の席は棺桶の中に変更だ」
「そんなひどい」
「それとも壁に向かって膝を抱えて座り、キノコでも栽培してみるか?」
「真面目な話に水を差してすみませんでした。どうか付き添い役やらせて下さいお願いします」

「で、どうしよう」
「あっ。そうだお前、以前にやってるじゃねえか。ほら、サヴェッラの大聖堂で」
「ああ…」
「あの時だって公衆の面前でしっかりちゅーしてただろうが」
「いやそれが――はっきり憶えていないんだよね」
「マジで?」
「うん。思い切って姫に訊いてみても、憶えてないってあっさり言われた」
「……ああ、オレも憶えてねーわ。あの後、いつの間にかお前達のこと見送ってたんだった」
「だろ?」
「なんか暗転したような気もするぞ」
「仕様って恐ろしいよね」
「って、あのな。そんなメタなこと言っちゃっていいのかよ」
「いいんだよ。どうせ――書き手もオチなんて考えてないし」
「うっわサイテー」

  ~ ♪ ♪ ♪ ~

「おっと、ファンファーレだ」
「それでは玉座の間に行きますか」
「どうする気だ?」
「我が花嫁をお迎えに、だよ。今さら何を当たり前のこと訊いてくるんだこのバカリスマ」
「バカはお前だ。式次第を訊いてんじゃねーっつの。――ちょっとした悩みの件だよ」
「うやうやしく誠実に、かつ形式的に。…あとは開き直りで乗り切ることにするよ」
「そうか。頑張れよ」

「――それじゃあ、行ってみようか」

 

 

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