メインマシンのパソ子さん、この頃、少し変よ?
どうしたのかな。
むう。
何故かしょっちゅうCPUの使用率が100%に跳ね上がってしまうのですよ。
もう重いのなんのって。何をそんなに頑張っちゃってんだか。
原因はノートン先生か?
なんや知らんけど、まいるわ。たはー。
いざとなったら、サブマシンのパソっ太を父から取り戻せばすむことなのですが。
オトン仕様にカスタマイズされちゃってるからなぁ……。
そろそろ新しいマシンの購入を考える時期にきているのかもしれません。
ノート欲しいな。ちっさいの。モバイルモバイル♪
でもその前に冷蔵庫買わなきゃならないんですよね。
お給料は入ったらすぐに出て行くものなのですよ。とほほ。
以上、戯れ言終了。
さて、この記事はちゃんとアップされているのであろうか。
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渡り廊下を会議室へ向けて歩きながら、近衛隊長は資料に目を落としている。
眉根を寄せ、厳しい表情で。
忙しなく紙束をめくっていたが、不意にその手を止めて。
やがて足も止める。
顔を上げ、眩しそうに廊下の向こうを見やった。
ゆっくりとやってくる一団を認め、静かにその身を端に寄せる。
先頭を歩く近衛兵が上官の存在に気付き、やや緊張した面持ちで敬礼する。
近衛隊長は部下の様子に薄く微笑んで答礼をし、彼の後ろに続く侍女の会釈には、
労いを含んだそれを返した。
そして。
「――姫様」
敬愛する王女に、誠実さ溢れる拝礼を。
「近衛隊長」
返されるのは、慈愛のこもった淑やかな微笑み。
紙束が、カサ、と音を立てた。
瞬間。
深い色の瞳がいたずらっぽく輝いて。
深緑の瞳がわずかに細められた。
すれ違う刹那、交わされるまなざし。
“また後で”
“待ってる”
言葉にならない。
誰にも気付かれない。
それは二人だけの――。
背後に遠ざかる、愛しい気配。
振り向くことなく近衛隊長は廊下を歩く。
資料の紙束を手に提げて。
口元には淡い頬笑み。
その足取りも、軽く。
仲良し幼馴染みで、主従で、恋人同士。
時には兄と妹であり、姉と弟でもあって。
お互いが相手に対して5役をこなします。