日記と見せかけた雑記。拍手コメント&メールのお返事もこちら。ここだけの限定小話もあり。
開き直った時の彼は、最強だ。
どうしようもなく追いつめられた時。
何もかも放り出して逃げたくなるような時。
そんな絶望的な瞬間に、けれど彼は笑うのだ。
自分達を振り向いて。
ふわりと。
それを勇気だというのなら。
まぎれもなく――彼は勇者だ。
その彼が。
背中を丸め、じっと俯き、ただ靴の先を見下ろしている。
その横顔はいつも前を見つめていたはずのに。
眉根を寄せ、強く瞳を閉じ、黙って何かに耐えている。
その口元に浮かぶはずの微笑みはない。
厭だった。
彼にそのような顔をさせているのが、あんなろくでなしだということが。
腹が立った。
苛立たしかった。
我慢ならなかった。
耐えられなかった。
見ていられなかった。
それは。
友情のために。
――否。
自分のために。
だから彼には何としても立ち直ってもらわなければならないのだ。
次作のことです。
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