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日記と見せかけた雑記。拍手コメント&メールのお返事もこちら。ここだけの限定小話もあり。
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そう言えば、本日はイベントな日なのでしたね。
東京のコミスクと我が大阪インテのコミックシティと。
サークル参加の方々、お疲れ様でした。一般参加の方々、羨ましいです。
うーん、またイベント行きたいなぁ。
行けるとしたら、2月の爆裂ホイミ祭りかなぁ。
大阪やしね、大正やしね、環状線ですぐやしね。

さてさて、ワタクシは本日何をしていたのか…。
今回は趣向を変えて小説風味。
気になる方だけ続きをどうぞ。


+ + + + + + + + + +

利用者へのお薦め本について原稿を書かねばならないというのに、その原稿はおろか、
お薦め本すら選んではいない。つまり二ヶ月の間、Sは何もしていないのだ。
――ここまでは昨日の日記に書いた。今回はその続きである。

さすがに焦りを感じたSは、とりあえず本を物色することから始めようと考え、休日では
あるが、職場へ自転車を走らせた。
Sの自宅から職場まで徒歩5分。ほとんど一本道で信号もない。自転車を使うと通勤時間は
大幅に縮まる。自己最高記録は30秒。
そんなSへ職場の者は口々にこう言う。「家近いんやから歩いて来い」と。
Sの答えはこうだ。「家近いんやからぱっと行ってぱっと帰りたいんや」――正論である。
そんなSの憧れは“交通費支給”。
閑話休題。
記録を目指したわけではないが、それでも40秒で到着し、裏口から事務室へ侵入するS。
Sの姿に、こいつ休日出勤しやがったと、色めき立つ(出勤組の)職員。
う、ヤバイ。ついいつもの癖で事務室から入ってしもた。
気まずさと、本来の目的を隠すために、Sは自制心を総動員させて笑顔を作る。
「や、ちょっと忘れ物してしもて…」
これには突っ込まれることはなく、安心しつつも一応自分の席へ座ってみる。忘れ物など
ありはしないのに、間抜けなことだ。
だが不思議なことに、席に着いてみると、何かしら仕事を見つけてしまう。
管理しているHPにリンク切れを見つけて修正していると、隣の席に先輩Oが戻ってきた。
「なにあんた、仕事してんの?」
「どうしたことか、成り行きでこうなってしまいました」
「ひょっとしてワーカホリック?」
「そう思っているのはあなただけです、先輩」
「まぁちょっと一休みして、お菓子でも食べようや」
そう言って先輩Oが差し出したのは、明石銘菓『子午せん』だった。
「おお、これは素晴らしい。しかしこのようなものをお持ちとは、どうなされたのですか」
「昨日休みやったFさんがな、明石行って来はったんやて。そのお土産や」
「なるほど」
今日、ここへ来て本当に良かった――しみじみとSは思った。
「あんたは何か差し入れとかないんか?」
「もちろんありません」
素直にきっぱり答えると先輩Oにヘッドロックをかけられ、Sは理不尽な仕打ちに涙した。
このままでは明石銘菓『子午せん』まで奪われてしまう、そんな強迫観念を覚え、さっさと
食してしまうことに決める。
カウンター当番のため今は事務所にいないF氏に感謝しながら、有り難くも遠慮せず、Sは
明石銘菓『子午せん』を頬張った。卵とバターの風味が絶妙だ。
さくさくと味わうSの隣で先輩Oが呟いた。
「なんやろなぁ“こうしせん”って。変な名前」
ぶっ。冗談ではなく、本気で吹き出すS。

子午せん→子牛せん

「そっ、そんな誤植がなされているのですかっ!」
それはすごい。ぜひ写真に撮っておかねば。これは日記のネタになる。
喜び勇んで携帯電話を掴むS。そのままカメラのレンズを『子午せん』の袋へ向ける。
が。
「…先輩。私にはどうしても『子午せん』に見えるのですが」
「ああ、これ“しごせん”って読むんやー。ごめんごめん、見間違い」
「どうやらあなたの目は節穴のようですね」
またもやヘッドロックをかけられながらも、他人を“節穴”呼ばわりすることができて
Sは満足であった。
「それにしてもなんで“子午せん”なんて言うんやろうな」
「明石だからさ…」
シャア・アズナブル(池田秀一)を意識して呟くも、あっさりスルーされ、一瞬グレて
やろうかなどと考えたSに、またしても先輩Oは、
「それが明石と、どう関係があるんな」
あれ?何か変ではないか。
怪訝に思い、Sは手元のメモ用紙に“子午線”と書き付け、先輩Oに差し出した。
「明石に子午線が通っているのですよ」
「子午線って何?」
そうか、そういうことだったのか…。
「先輩、子午線をご存じなかったのですね。兵庫県人のくせに。私より6歳も上のくせに」
「あんたいっぺんマジでシバいたろか?」
「シバかれるのは嫌なのです。でも説明するのも面倒なので、ご自分で調べて下さいね」
幸いにもここは図書館。ほら、すぐ後ろに百科事典が。
即座に自分の端末を操作してインターネット検索する先輩O。
なるほど、その手がありましたな。
感心しながら、ちょっぴり寂しく思うSなのだった。
――まあ、そんなことより。

ようやく本来の目的を果たすべく、事務室を後にするS。
万人にお勧めできるような本を求めて書架の間を彷徨うこと30分。
途中、常連の利用者に見つかってしまい「この本どこにあるか教えてーな」と頼まれ、
「今日は非番なのです」とも断れず、笑顔をニュートラルに保ちながら目当ての書架へ
案内したりもしつつ、何とか3冊を選び出す。
こうしてSの休日二日目は幕を閉じたのであった。

そして、本日のトピックス。
先輩Oは子午線を知らなかった。

ちなみに。
明石銘菓『子午せん』
http://www.hitomaru.co.jp/

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